インド映画「パッドマン 5億人の女性を救った男」徹底解説-愛する妻のために、インドに革命を起こした男

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PADMAN

「パッドマン 5億人の女性を救った男」をより楽しむために抑えておきたいポイント

この映画はインドで安価な生理用品を作るために奔走した男の実話をもとにした映画です。生理が穢れでありタブーな風潮があるインドで生理用ナプキンという女性用のものを研究する行動によって、村での居場所やそして家族を失います。このような辛い状況でも妻を含めたインドの女性の健康と自由のために諦めずナプキン作りを続ける、そして好奇心を持ち続け、失敗をしてもあきらめない 主人公のラクシュミの姿に心を動かされる感動作品です。

スーパーマンやアイアンマンなどスーパーヒーローにも匹敵する、インドの多くの女性の命を救ったの新しい形のヒーロー像とも言える「パッドマン」まだ観てない人は観たくなるような、観たことある人ももう一度見たくなるような知識をまとめました。

ネタバレはないので安心してご覧ください。

こんな人にオススメ

  • 挑戦をしている人 → 背中を押してくれるような作品
  • 失敗をしてあきらめかけている → 人にはもう少し続けてみようと思える
  • 男性 → 生理を知るきっかけになる

「 パッドマン 5億人の女性を救った男」とは

映画概要

日本でのキャッチコピー 現代の”生理用品”の普及に人生を捧げた男の感動の実話

タイトルパッドマン 5億人の女性を救った男 ( 原題 : PadMan )
公開年2018年
インド
上映時間137分 
ジャンルドラマ・ファミリー・恋愛
配信サービス配信状況
U-next×
NETFLIX
Amazonプライムビデオ×
Hulu×

\今なら30日間無料で見放題!/

※動画の配信情報は2023年5月時点のものです。配信状況により無料ではない場合があります。最新の配信状況は各動画配信サービスの公式サイトでご確認ください。

主要人物

パッドマン

ラクシュミカント (真ん中 自転車に乗っている)

ものづくりが得意な主人公。貧しい暮らしを送っているが家族や奥さんへの深い愛情に加えて、誠実さと底抜けの明るさを持っている。

ガヤトリ (左 ピンクの服)

ラクシュミの妻 夫への愛と周囲の目線に挟まれる。

パリー (右 水色の服)

タブラー奏者でインドの都会に暮らしている女性。ラクシュミの考えに感銘を受け、ナプキンの普及に協力する。

どんな映画か

ひとことで表すと一途に愛する妻のために、周りの目を気にせずに一目散に突き進んでいく夫の映画です。

インドの小さな村で新婚生活を送る主人公のラクシュミ。ラクシュミの妻はインドの多くの女性と同じく高価な使い捨ての生理用ナプキンが買えず、不衛生な布で処置をしていました。それを見たラクシュミは清潔で安価なナプキンを手作りすることを思いつきます。女性用のものを研究するといったラクシュミの行動は、村の人々から奇異な目で見られ、数々の誤解や困難に直面そして村八分にされてしまいます。

それでも諦めずラクシュミはひたすらに研究と開発を続け、彼の熱意に賛同した女性パリーと協力もあり徐々に歯車が噛み合っていく...といった映画です。

本当にやり遂げたいことがあれば、失敗や周囲の目など気にしないことの重要性 そして、男性にとっては生理を知るきっかけになる作品です。また、お金を追い求めるのではなく、大切な人そして多くのの笑顔を追い求めるといったメッセージもあり、本当に大切なものが詰まった映画です。

生理用ナプキンといったデリケートな問題を扱った作品ですが、家族や友達とも見れるような明るくテンポが良い作品となっています。

予備知識

実際にあったこと

インドで安全かつ安価な生理用品の普及に人生を捧げ、男性の南インド生まれのアルナーチャラム・ムルガナンダム氏実話をもとに作成された映画です。ムルガナンダム氏は家庭の事情によりお金がなく、学校にも満足に通うことができませんでした。しかしアイデアと熱意でそんな逆境を跳ね返して偉大な発明家として知られています。

2014年にはタイム誌において“世界で最も影響力のある100人“に選出され、2016年にはインド政府から褒章パドマシュリも授与。2018年には 国際女性デーに国連本部で行われた式典では、ビデオメッセージに出演しました。さらには2018年7月には生理用ナプキンはインド国内の軽減税率の対象となり課税は0%になり、そして実際に彼が発明した機械はインドの29州のうち23州に設置され、さらに106カ国に広がるなど国内外問わずに影響を与えた人物です。

インドと生理

インドでは、生理=穢れとみなされる風潮がまだ残っている地域が多く、寺院、神社や台所の立ち入りの禁止そして、ベランダに備え付けられた専用の隔離部屋で1週間過ごさなければならないなど多くのことに制限があります。

また当時ナプキンは輸入したもので高級品とされており、インドでのナプキン使用率は約15〜20%でした。なので多くのインドの女性は、ナプキンの代わりに洗濯物の下で隠している不衛生な布で月経の出血をしのぐといった処置を行っていました。その結果、多くの女性が感染症にかかり、時には命を落とすこともありました。

生理用品の値段

映画のシーンでもある2001年、ナプキンの値段は約55ルピーでした。物価のイメージとしてはファストフードのコーヒー1杯が5ルピーですので、日本での価値としては約1000円ほどだと考えるとわかりやすいかと思います。

また、途中で出てくる海外の製造マシンの値段では「数カロール」という値段が出てきましたが1カロールが1000万ルピーですので、莫大な金額ということがわかります。

ムルガナンダムさんは約10万円の軽量で操作が簡単なナプキン製造機を開発。この機械によってナプキンは約2ルピーほどになりました。

話したくなる豆知識

演説シーン

主人公が演説するシーンが出てきますが、実際に演説するようにワンテイクで撮られました。

ワンカットで撮られて約10分間の演説は、演技を超えた気持ちのこもったもので見ている側も引き込まれ、感動を誘うものになっています。

監督の妻もインド映画監督

監督のR・バールキの妻もインドで映画監督をしています。それは「マダム・イン・ニューヨーク」の監督ガウリ・シンデーです。

夫婦それぞれの作品「マダム・イン・ニューヨーク」と「パッドマン」ぜひ両方見てみてはいかがでしょう。

登場人物の名前

登場するメインの3人の名前はそれぞれ神様などをなぞられたものになります。

主人公:ラクシュミ

美と豊かさ幸運を司る女神でもあるヒンドゥー教最高神の1人ヴィシュヌの妻ラクシュミからとられています。ラクシュミは人生の目的に沿った物質的な豊かさから精神的な豊かさまで、人々を導いていると言われます。

主人公のラクシュミ自身が女性たちの美と豊かさ幸運を司る女神であったと同時に、主人公自身もラクシュミに導かれていたとも言えます。

妻:ガーヤトリー

ヒンドゥー教最高峰のマントラでもある、ガーヤトリー・マントラ。ガーヤトリーはヒンズー教における全てのマントラの母とも言われています。

ラクシュミー・ガーヤトリー・マントラを唱えることで、富、地位、名声が手に入ると言われており、主人公のラクシュミとその妻のガーヤトリーがつながることで富、地位、名声が手に入ることを示唆しているのかもしれないです。

遠い地でラクシュミを支えた女性:パリー

パリーは、インドで「妖精」またそれが転じて「美女」という意味があります。

実際の話ではパリーのような人物はいなく、映画化するにあたって付け加えられた設定の人物でもあることから、クシュミーを成功に導きそして元の世界に帰す案内人としての「妖精」の意味も込められていると思われます。

出演・監督

パッドマン 出演

監督 : R・バールキ

1965年生まれ。2007年に「チーニー・カム」で映画監督デビュー。同年に映画監督のガウリ・シンデーと結婚。

R・バールキ おすすめ作品

主人公 (ラクシュミ):アクシャイ・クマール

1990年代に最も成功を収めたボリウッド俳優の一人であり、100本以上の映画に出演し、そのうち52本の映画が興行的な成功を収めている俳優です。インドのジョージ・クルーニー” や ”ジャッキー・チェン”とも言われています。

アクシャイ・クマール おすすめ作品

妻 (ガートリー):ラーディカー・アープテー

舞台女優としての経験を経て、2005年に映画デビューしました。約 10 年以上俳優として活動しており、ヒンディー語、タミル語、マラーティー語、テルグ語、ベンガル語など様々な映画に出演しています。

ラーディカー・アープテー おすすめ作品
  • パッドマン 5億人の女性を救った男
  • 盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~

パリー:ソーナム・カプール

俳優のアニル・カプールと元モデルのスニータ・カプールの映画一家に生まれました。 サンジャイ・リーラ・バンサリ監督のアシスタントとしてキャリアをスタートさせ、その後2007 年に女優デビュー。ボリウッドで最もファッショナブルな女優とも言われています。

ラーディカー・アープテー おすすめ作品
  • パッドマン 5億人の女性を救った男
  • SANJU/サンジュ
  • ミルカ

「パッドマン 5億人の女性を救った男」が好きな人におすすめ映画

監督作品×主演 アクシャイ・クマールの再タッグ作品 『 ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画』

インドの宇宙開発事業で、アジア初の火星探査ミッションを成功させた実話を映画化。誰もが実現はムリだと思っている案件火星プロジェクトを女性が多数を占めるのメンバーで知恵を絞って挑戦する作品です。

「パッドマン 5億人の女性を救った男」の製作チーム。監督のR.バールキが脚本を担当し、助監督のジャガン・シャクティが今回、監督を務めています。また、主演を演じたアクシャイ・クマールが、火星探査プロジェクトのチーム・リーダーを演じた作品。「パッドマン 5億人の女性を救った男」が好きな方は楽しめる作品だと思います。

監督の妻 ガウリ・シンデー作品 『 マダム・イン・ニューヨーク』

監督の妻でもあるガウリ・シンデー作品 「 マダム・イン・ニューヨーク」

現代的で洗練された映像とポップなBGMでユーモラスに描き、ラストに爽やかな感動と前向きな気持ちを呼び起こすヒューマン・コメディ。鑑賞後はとっても晴れやかな気分になること間違いなしです。また、観終わった後に母親への感謝しようかなと思える作品です。

実話を基にした感動作 『ダンガル きっと強くなる』

実話をもとに2人の娘をレスリングの世界で成功させるべく奮闘する父親を描き、本国インドのほか世界各国で大ヒットを記録した人間ドラマです。

親子の絆・スポーツ映画が好きな人はとても楽しめる作品です。

まとめ

村中の人々から奇異な目で見られ、ついには村を離れるまでの事態に陥りながらも諦めずに奮闘するラクシュミの姿が胸を打つ作品「パッドマン 5億人の女性を救った男」

本当にやり遂げたいことがあれば、失敗や周囲の目など気にしないことの重要性 そして、男性にとっては生理を知るきっかけになる作品です。また、お金を追い求めるのではなく、大切な人そして多くの人の笑顔を追い求めるといったメッセージもあり、本当に大切なものが詰まった映画です。

興味を持った方には是非 インドの多くの女性の命を救ったの新しい形のヒーロー像とも言える「パッドマン」ご覧になってもらいたい作品です。ぜひ次に見る映画の候補にしてみてはいかかでしょうか?

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