「マダム・イン・ニューヨーク」をより楽しむために抑えておきたいポイント
この映画は新しい事に挑戦することの大切さと素晴らしさ、そして見た後に勇気をもらえる作品です。
監督や主演が女性の作品ともあり、女性の視点で夫婦や家族での「女性の尊厳」そして「多様性の尊重」を丁寧に描かれています。
新人女性監督ガウリ・シンデーの長編デビュー作の映画「マダム・イン・ニューヨーク」。インドのアカデミー賞と称されるフィルム・フェア賞で、賞を受賞するなどの注目作品「マダム・イン・ニューヨーク」を最高に楽しむための、まだ観てない人は観たくなるような、観たことある人ももう一度見たくなるような知識をまとめました。ネタバレはないので安心してご覧ください。
こんな人にオススメ
- 新しく挑戦したいと思っている
- 留学や海外に行きたいと考えている
- 家族について考えたい
「マダム・イン・ニューヨーク 」とは
映画概要
日本でのキャッチコピー 世界の幸せはちょっとの幸せでできている
タイトル | マダム・イン・ニューヨーク ( 英題 : English Vinglish ) |
公開年 | 2012年 |
国 | インド |
上映時間 | 137分 |
ジャンル | ドラマ・ファミリー |
配信サービス | 配信状況 |
---|---|
U-next | × |
NETFLIX | × |
Amazonプライムビデオ | × |
Hulu | ○ |
※動画の配信情報は2023年5月時点のものです。配信状況により無料ではない場合があります。最新の配信状況は各動画配信サービスの公式サイトでご確認ください。
主要人物
主演 シャン
インドに住む古風で優しく料理上手な専業主婦
国も個性も様々な英語学校の仲間達
ウドゥムブケ
カフェで出会った優しいフランス人シェフ
ローラン
アフリカ系のカリブ海出身者である無口で無愛想
サルマン
女性にもてたいと思っているパキスタンから来た運転手
ユソン
韓国人の美容師
エヴァ
メキシコから来たベビーシッター
ラマ
南インドから来たIT技術者
デヴィッド先生
英会話学校の先生。いろいろな国から集まった生徒たちに熱心に授業をする。
どんな映画か
ひとことで表すと新しいことへ挑戦することの勇気をもらえる映画です。
専業主婦のシャシは、2人の子どもと忙しいビジネスマンの夫サティシュのために尽くしてきたが、事あるごとに家族の中で自分だけ英語ができないことを夫や子どもたちにからかわれ、傷ついていました。そんな中ニューヨークに暮らす姉から姪の結婚式の手伝いを頼ます。不安の中一人で渡米したシャシは、「4週間で英語が話せる」という英会話学校を見つけ、姉にも内緒で英会話学校に通うことを決めました。そこで国も個性もバラバラの仲間とともに英語を学ぶうちに、次第に自信を取り戻していくシャシだったが…といった話です。
自分の価値を認めてもらえない専業主婦が一念発起し、英語が苦手というコンプレックスを克服して誇りと自信を取り戻していく姿を描いたインド映画です。
英語を学んでいく過程が注目されがちですが、「英語を話すことがいかに大切か」ではなく、「英語を使ったその先に何を求めるのか」ということにスポットをあてた作品です。
予備知識
インド国内の就学率と英語事情
インドでは多民族国家なため多言語が存在します。そのため元々イギリスの植民地だったこともあり、共通言語の役割としても英語は準公用語として使われています。
現在では男女平等に学ぶことができますが、昔ながらの風習の残る地域では女性は家庭で働くものとされ、まともに学校に通えない人が多いです。そのため、英語を学ぶ機会が与えられずまた結婚後も家庭で働くことに縛られるので、英語が話せない女性が多くいます。「マダム・イン・ニューヨーク」のシャンもそういった女性の一人です。
インドの代表的なお菓子ラドゥ
映画でもシャンの得意料理として登場するお菓子ラドゥ。ラドゥとはお祝い事やお祭り、お供え物などによく使われるお菓子でひよこ豆粉やセモリナ粉、細かくしたココナッツと砂糖とバターを混ぜて団子にしたものです。インドでは母との思い出の味とも言われています。
ヒンドゥー教の神様・ガネーシャも、ラドゥが大好物でガネーシャの絵にはラドゥがよく描かれています。
話したくなる豆知識
日本での上映
日本では当初劇場公開予定がありませんでした。しかし海外で本作を鑑賞し大ファンとなったバイヤー、大向敦が上映権を買い付け、2014年広島国際映画祭で日本で初めて上映されました。
シャシの娘役サプナと息子役サガルは本当の姉弟
シャンの娘と息子は実際の兄弟で、弟がオーディションを受けるにあたって付き添いに来たところ、その姉のキャラクターも気に入り兄弟役として決めたみたいです。よくよく見てみると二人の芝居がナチュラルで、やりとりをみるのも楽しめます。
監督の母を思って制作
監督のガウリ・シンデーが母親に受けた影響から脚本を書き、映画を撮った作品になります。
ガウリ・シンデー自身の母親の存在を当たり前だと思うようになってしまっていることに気づきました。それと同時に母には、母なりの才能があって、とても美しく強い人だとも気づきました。
そこで、母も自分をなんのとりえもない人間だと思ってしまっているけれど、そう決めつけるのはどうなんだろうと思い映画を撮りました。
出演・監督
監督 : ガウリ・シンデー
大学のマスコミ学科で映画撮影に興味を抱き、卒業後ドキュメンタリー監督シダース・ケイ監督に師事します。2012年「マダム・イン・ニューヨーク」で長編映画デビュー、トロント国際映画祭で高い評価を得た後、インドで大ヒット。同年の“最も成功したボリウッド映画監督”ベスト5に選出されます。
シュリデヴィ・カプール おすすめ作品
- ディア・ライフ
主演 : シュリデヴィ・カプール
4歳で子役としてデビューしました。その後インドのアイドル的存在として人気を博し、70年代~90年代のボリウッド映画で活躍します。97年に結婚したのを機に女優業を休業。その後15年ぶりに本作「マダム・イン・ニューヨーク」で女優復帰をしました。
シュリデヴィ・カプール おすすめ作品
- ボンベイ・トーキーズ
- JUDAI -欲望の代償-
「マダム・イン・ニューヨーク」が好きな人におすすめ映画
監督のガウリ・シンデー作品 『 ディア・ライフ 』
映画のカメラマンとして少しずつキャリアを積み上げつつも、プライベートでは恋人と上手く関係を築けず、結果男性にだらしないような振る舞いをしてしまうカイラが偶然話しを聴いた精神科医のジャグのセラピーを受けることで自分を見つめ直す物語。
精神科医の優しい言葉が突き刺さる、涙が自然と溢れる作品です。
サリー姿で宇宙を目指す女性たちの活躍を描く 『 ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画 』
インドの宇宙開発事業で、アジア初の火星探査ミッションを成功させた実話を映画化。誰もが実現はムリだと思っている案件火星プロジェクトを女性が多数を占めるのメンバーで知恵を絞って挑戦する作品。
人生に迷いはつきもの。もしもを違う人生を歩んでいたら 『2つの人生が教えてくれること 』
大学卒業前夜に妊娠検査薬を使った女性を主人公に、妊娠していた場合としていなかった場合の2つの人生を並行させて描いた作品。
「過去の自分が別の判断をしていたり、別の出来事が起こっていたりして、異なる人生があったとしたら」という多くの人が考えたことのあるテーマを映画化した作品です。
監督のガウリ・シンデーの旦那の作品『パッドマン 5億人の女性を救った男 』
監督の旦那でもある R・バールキ作品 「 パッドマン 5億人の女性を救った男」
インドで安価な生理用品を作るために奔走した男の実話をもとにした映画です。生理が穢れでありタブーな風潮があるインドで生理用ナプキンと向かい合い、居場所や家族を失います。このような辛い状況でも妻を含めたインドの女性の健康と自由のために諦めずナプキン作りを続ける、そして好奇心を持ち続け、失敗をしてもあきらめない 主人公のラクシュミの姿に心を動かされる感動作品です。
まとめ
新しいことや初めてのことに挑戦するのは勇気が必要で怖いです。そんな時に一歩踏み出す勇気を与えてくれる「マダム・イン・ニューヨーク」
現代的で洗練された映像とポップなBGMでユーモラスに描き、ラストに爽やかな感動と前向きな気持ちを呼び起こすヒューマン・コメディ。鑑賞後はとっても晴れやかな気分になること間違いなしです。また、観終わった後に母親への感謝しようかなと思える作品です。
すべての頑張る人そして挑戦する人はぜひ「マダム・イン・ニューヨーク」に勇気をもらってみてはいかがでしょうか
何事も初めては一度だけ その一度は特別な体験だから楽しんで ではまた.
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