(4) 1分で読める教養としての映画 -ヌーヴェルヴァーグとアメリカン・ニューシネマ-

スポンサーリンク

4.ヌーヴェルヴァーグとアメリカン・ニューシネマ

スタジオシステムが崩壊してハリウッドは力を失なったことで、ハリウッドの黄金期が終焉を迎えました。そして、1950年代後半から映画産業は新たな転換期を迎えます。フランスで始まったフランスの若い監督たちが新しい方法で映画界を革新したムーブメントでもあるヌーヴェルヴァーグ(新しい波)そして、1960年代から1970年代初頭にかけてアメリカで起こったアメリカン・ニューシネマは、映画製作の慣習に挑戦し、新たな表現の自由を模索しました。

ヌーヴェルヴァーグは、伝統的な映画製作に対する直接的なアンチテーゼとして現れ、 ストーリーにこだわらず、映像の主体性を重視するなど、旧来の映画作法の打破を試みた。

アメリカン・ニューシネマはハリウッドの商業主義に対する反発として生まれました。「アンチ・ヒーロー」「アンチ・ハッピーエンド」で、最後には体制側に圧殺されるか、あるいは悲劇的な結末で幕を閉じるものが多いことが特徴です。

これらの運動は、映画製作における創造的な実験と自由な表現を重視し、後の独立系映画や現代映画に大きな影響を与えました。

重要な作品とその影響

ヌーヴェルヴァーグ: 「勝手にしやがれ」(ジャン=リュック・ゴダール)や「大人は判ってくれない」(フランソワ・トリュフォー)は、映画製作の新たな可能性を提示し、世界中の映画製作者に影響を与えました。

勝手にしやがれ

アメリカン・ニューシネマ: 「イージー・ライダー」(デニス・ホッパー)や「カッコーの巣の上で」(ミロス・フォアマン)は、アメリカ社会の変化と若者文化を映し出し、新しい視聴者層を惹きつけました。

イージー・ライダー

ヌーヴェルヴァーグとアメリカン・ニューシネマは、映画が持つ表現の自由と創造的な可能性を探究した運動です。これらの運動は、映画が単なる娯楽を超え、社会や人間の深層に迫る芸術形式であることを証明しました。

押さえておきたいポイント(一言メモ)

革新と反逆: ヌーヴェルヴァーグとアメリカン・ニューシネマは、映画製作の既存の枠組みに挑戦し新しい映画言語を開拓した運動です。

ヌーヴェルヴァーグの特徴: 伝統的な映画製作に対する直接的なアンチテーゼとして現れ、 ストーリーにこだわらず、映像の主体性を重視するなど、旧来の映画作法の打破を試みた

アメリカン・ニューシネマの特徴: ハリウッドの商業主義に対する反発として生まれました。「アンチ・ヒーロー」「アンチ・ハッピーエンド」で、最後には体制側に圧殺されるか、あるいは悲劇的な結末で幕を閉じるものが多い

芸術性の追求: 両運動ともに、映画を単なるエンターテイメントではなく、深い社会的・哲学的テーマを探究する芸術形式として捉えました。商業主義に縛られない独立した映画製作の精神が、後世の映画製作者に大きな影響を与えました。

ヌーヴェルヴァーグとアメリカン・ニューシネマまとめ

ハリウッドの黄金期からの移行を経て、ヌーヴェルヴァーグとアメリカン・ニューシネマは、映画史において重要な役割を果たしました。これらの運動を通じて、映画製作における自由な発想と創造性が強調され、映画が持つ芸術としての価値が再認識されました。革新的な手法と表現の自由を探求するこれらの運動は、映画を通じて社会を映し出し、観客に新たな視点を提供する力を持っていることを示しました。

<前の記事> 3,ハリウッドの黄金期↓

<次の記事> 5.ブロックバスターとテクノロジーの進化

-特集