「インセプション」をより楽しむために抑えておきたいポイント
この映画は、夢の世界を舞台にした映画で、それは観客にとってもまさに一つの夢のような作品です。
他人の夢の中に侵入し、その人物の深層心理にアクセスして秘密情報を盗み出すことを仕事としている主人公。ある事件がきっかけで指名手配され自分の子供達と会えないでいます。そんな所に、あることを成功させることで犯罪歴を無くしてくれるという人物に出逢います。
そのあることとは、相手の心に新たなアイデアを植え付けるというもの。これが「インセプション」であり、この映画のテーマとなるのです。
「インセプション」は誰もが寝る時にみる夢が舞台で、夢の世界での1時間は現実の5分とそれぞれの夢の世界は時間の流れが異なります。さらには夢のまた夢、そして更にその下の層の夢の世界と行き来することで、物語は複雑な形になっています。しかし、そのすべてが最後には見事なまでに絡み合い、すべての謎が解けたとき、観客はただただ感嘆の息をつく作品になっています。
ノーラン監督の巧妙な演出と視覚効果、そして素晴らしいキャストの演技が相まって、この難解な物語を見事に描き出している作品「インセプション」のあらすじや映画の魅力そして、映画をより楽しめる知識をまとめております。
本作を既にご覧になった方も、これから観賞される方も楽しめる内容になっています。
ネタバレはないので安心してご覧ください。
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こんな人にオススメ
- パズルや謎解きが好きな人
- 深いテーマを探求する映画が好きな人
- アクション映画が好きな人
「インセプション」とは
映画概要
日本でのキャッチコピー 夢は現実だ。
タイトル | インセプション |
公開年 | 2010年 |
国 | アメリカ |
上映時間 | 148分 |
ジャンル | サスペンス・アクション・SF |
配信サービス | 配信状況 |
---|---|
U-next | ○ |
NETFLIX | × |
Amazonプライムビデオ | ○ |
Hulu | ○ |
※動画の配信情報は2023年5月時点のものです。配信状況により無料ではない場合があります。最新の配信状況は各動画配信サービスの公式サイトでご確認ください。
主要人物
ドミニク・コブ(レオナルド・デカプリオ): 夢を操作するプロフェッショナル。妻の死とそれに伴う罪悪感に苦しんでいます。
アーサー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット): コブの長年のパートナーで、助手。冷静で理性的で詳細な計画を立て・リサーチを行い、コブを支えます。
アリアドネ(エリオット・ペイジ): 建築学生で、コブのチームに新たに加わります。夢の中での都市をデザインする「アーキテクト」です。彼女は視覚的な世界を作り出し、物語に深度を加えます。
サイトー(渡辺謙): コブとチームに、自分のビジネス競争相手の心にアイデアを植え付けること「インセプション」を依頼します。
イームス(トム・ハーディー): 夢の中で他人になりすますことができます。彼の能力は、計画の重要な部分を助けます。
ユスフ(ディリープ・ラオ): 調合師で、夢を引き起こす強力な鎮静剤を提供します。
マル(マリオン・コティヤール): コブの亡くなった妻で、彼の罪悪感と喪失感の象徴であり、夢の中でしばしば現れてはコブのミッションを妨げます。
これらのキャラクターはお互いに複雑に関係しており、それぞれが物語に重要な役割を果たします。映画を観ながら彼らの動きを注意深く追うことで、『インセプション』の豊かな物語の全貌が明らかになるでしょう。
どんな映画か
ひとことで表すと意識の深淵を探索する脳裏を揺さぶる体験です。
『インセプション』は、レオナルド・ディカプリオ演じるドム・コブという男を中心に進行します。彼はエクストラクターと呼ばれる人々の一員で、他人の夢に侵入し、その人の意識の深層から価値ある情報を盗み出す技術を駆使するプロフェッショナルです。
ある日、コブは富裕な実業家サイトーから、競争相手の脳内に新しいアイデアを植えつける(インセプション)という、極めて困難なミッションを依頼されます。成功すれば、コブは自分が抱える個人的な問題を解決できるチャンスを得られます。そこで彼は、専門的なスキルを持ったチームを組織し、この難題に挑むことになります。
この映画の最大の特徴は、ノーラン監督が描き出す映像の美しさと緻密なストーリーテリングです。アクションシーンの一つ一つは、夢の世界の物理的な法則を独自に解釈しており、視覚的にも感覚的にも圧倒されます。また、映画全体を通じて続く精神的な探求は、私たちが自分自身や現実世界をどのように理解するかについての深遠な問いを投げかけています。
『インセプション』は夢の中の時間と現実の時間が異なるというアイデアを基にしています。
夢の中でさらに夢を見て、その中でさらに夢を見るというように、複数の夢の層を作り出します。それぞれの層において時間は異なり、上位の層(現実に近い層)では時間が遅く、下位の層(夢の深部)では時間が早く進行します。
時間が一定ではなく、夢の深度によって変わるという魅力的な時間概念が提示されている作品です。
予備知識
夢の中の時間と現実の時間の違い
映画は夢の中の時間が現実の時間とは異なり、さらに深い夢の層に入るほど時間が遅くなります。現実世界での5分が夢の中の1時間にあたり、夢の中の夢になると現実の5分が 12時間になります。
夢の層
映画では夢の中にさらに別の夢を作る、さらにその夢の中に夢を作ると夢の層ができていきます。時間の概念も含めてこの画像を参考にしてみてはいかがでしょうか
キック
"キック"は覚醒のシグナルであり、夢から覚めるためのトリガーとなります。それは物理的な感覚、特に落下感によって引き起こされます。
トーテム
映画の中では、各キャラクターが現実と夢を区別するための個人的なアイテム、すなわち"トーテム"を持っています。これは現実世界でのみ一定の挙動を示す特殊なアイテムで、それによりキャラクターは自分が夢の中にいるかどうかを判断します。
これらの要素を理解しておくと、『インセプション』の複雑なプロットと独特の世界観をより楽しむことができます。しかし、これらの概念は映画の進行中に明示的に説明されるので、映画を視聴する前にこれらを完全に理解しておく必要はありません。
話したくなる豆知識
長い準備期間
クリストファー・ノーランは『インセプション』の脚本を書くのに約10年間を要しました。彼は映画の複雑な物語と視覚効果のために、詳細なプリプロダクションの準備期間を必要としました。
リアルな撮影手法
ノーラン監督はCGをなるべく使わないで作製することで有名です。重力を失ったホテルの廊下のシーンは、実際に360度回転するセットを使用して撮影されました。
アリアドネの役割
エレン・ペイジが演じるアリアドネのキャラクターは、脚本の途中で追加されました。彼女は観客の代弁者のような役割を果たし、映画の複雑な世界を理解する手助けをしています。
出演・監督
監督・脚本 : クリストファー・ノーラン
英ロンドン出身。子どもの頃から8ミリで撮影を始め、ロンドン大学で英文学を専攻する傍ら、16ミリ映画を製作する。初長編作品「フォロウィング」がトロントなど各国の映画祭で高い評価を受ます。2002年「メメント」で脚光をあびます。その後「インセプション」・「インターステラー」・「ダンケルク」などで時間操作というノーランのスタイルを確立します。今までの11作品すべての脚本に関わり、脚本賞を受賞した数少ない映画監督の一人です。
昔ながらの撮影手法を好み、IMAXフィルムの使用やCGをあまり使わないことでも有名です。
クリストファー・ノーラン おすすめ作品
- インター・ステラー
- インセプション
- TENET
主演(ドミニク・コブ) : レオナルド・デカプリオ
カリフォルニア州ロサンゼルス出身。子どもの頃から数々のCMや子供向けのテレビ番組に出演。「ギルバート・グレイプ」で、彼はこの作品でアカデミー助演男優賞にノミネートされました。そして「タイタニック」で高い評価を受けます。その後は「ギャング・オブ・ニューヨーク」、「アビエイター」、「ディパーテッド」、「シャッターアイランド」など、彼の演技は度々賞賛を受けました。
印象深く・感情的に深みのある演技でキャラクターに深く入り込むことで知られており、その献身的なアプローチは彼がアカデミー賞をはじめとする数々の賞を獲得するほど評価されています。
クリストファー・ノーラン おすすめ作品
- インセプション
- タイタニック
- シャッターアイランド
主演(サイトー) : 渡辺謙
東京都出身。「ラスト サムライ」に出演し、その演技が評価され、全米映画俳優組合賞助演男優賞を受賞します。この作品で彼は国際的な注目を集めるようになります。その後「インセプション」、「ゴジラ」、「トランスフォーマー」シリーズに出演し、国際的なヒットとなりました。また、彼はアカデミー賞にノミネートされた初の日本人俳優です。
その卓越した演技力で日本映画界さらには国際的にも高く評価されています。
クリストファー・ノーラン おすすめ作品
- インセプション
- ゴジラ
- ラストサムライ
「インセプション」が好きな人におすすめ映画
『インセプション』が好きな方には、以下の映画がおすすめです。これらの作品は複雑なプロットと革新的な映像表現など、『インセプション』と共通する要素を持っています。
逆さまの時間、忘れられた記憶、終わらない追求。『メメント』
クリストファー・ノーラン監督の代表作の一つであり、記憶喪失の男が自身の妻の殺人犯を探すストーリーを描いています。時間が前後に移動する独特のストーリーテリングは、『インセプション』が好きな人には必見です。
現実か虚構か、その境界は『マトリックス』
現実世界とバーチャルリアリティが交錯するこの映画は、その革新的な視覚効果と深遠な哲学的テーマで一世を風靡しました。現実と夢(または仮想現実)の境界について問いかけるそのテーマは、『インセプション』のファンにはぴったりです。
孤立した島、謎に満ちた病院『シャッター・アイランド』
このマーティン・スコセッシ監督のサスペンス映画では、レオナルド・ディカプリオがまたしても主役を演じ、視覚的に鮮やかで複雑なプロットを通じて視聴者を混乱させます。『インセプション』のような心理的な深みと驚きの結末を楽しみたい人におすすめです。
まとめ
『インセプション』は一度見ただけでは全てを理解するのは難しいかもしれませんが、何度も見れば見るほど新たな発見があり、その複雑さと深さに感銘を受ける作品です。
最後に、映画『インセプション』はただエンターテインメントとして楽しむだけでなく、人間の心理や夢と現実の境界について深く考えさせられる作品でもあります。心の中に新たなアイデアを植え付けることは可能なのか、自分が体験している現実をどのように理解すべきなのか、という問いを私たちに投げかけます。それこそが映画『インセプション』の真骨頂であり、この映画を何度でも見返す理由なのです。
興味を持った方には是非 「インセプション」ご覧になってもらいたい作品です。ぜひ次に見る映画の候補にしてみてはいかかでしょうか?
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